広告の進化と共に、私たちの日常にはさまざまなプロモーション手段が存在します。
近年では、日本の広告市場において、インターネット広告の需要が大きく伸びています。
株式会社電通が2022年に発表した調査レポート『日本の広告費』によると、インターネット広告費が4マス広告費を初めて上回るなど、デジタル広告への注目が高まっています。
2021年 日本の広告費
特に、動画広告の需要が急速に拡大しており、その市場規模は飛躍的に成長してることがうかがえます。
しかし、自身の楽しみを中断されることに対する抵抗感から、多くの人々が動画広告を途中でスキップしてしまう傾向にあります。
そのため、動画広告が最後まで視聴されることは極めて希少です。
そうした中、本記事では特にマス向け商品において、新たなプロモーションの選択肢として注目すべき弊社の新しいサンプリング方法を、具体的な事例を交えてご紹介いたします。
大規模なサンプリングを叶えるプラットフォーム
弊社のサンプリングは、otonari加盟店として登録された「街のお店」でサンプルを配布しています。
そのお店を利用したお客様が、店頭でサンプルを見て興味を持ったら、お店のスタッフに声を掛けてサンプリング品を持ち帰ることができます。
また、受け取る際には必ず専用のスマホアプリを使用して受け取る仕組みになっています。

従来のサンプリング方法には、街頭サンプリング、ルートサンプリング、WEBサンプリング、イベントサンプリングがありますが、これら従来の方法では、「属性を絞らずに、たくさんの人々に配布する」に配布することは、配布場所を利用する人の特性や予算の問題から困難です。

そのため、従来のサンプリングの使い方は、ターゲットに近しい層への局所的なリーチを目的としてます。
一方、弊社のサンプリング手法は先述の通り、otonari加盟店である街のお店を通して配布されます。
otonari加盟店は九州全域に32,000店舗(2023年8月時点)が点在し、サンプルを受け取る際に使用する専用のスマホアプリのユーザーは120万人に上ります。
九州全体の人口がおよそ1200万人のため、九州の生活者のうち、およそ10人に1人はotonariアプリユーザーで、登録者数は日々増加しております。
このようなプラットフォームが構築されているため、弊社のサンプリングでは、「属性を絞らずに、たくさんの人々に配布する」ことが可能となっています。
レトルト調味料で実施した事例
配布した商品は、新ブランドのレトルト調味料です。
需要創造の機会があることを確信して売り出したブランドでしたが、売り上げが伸び悩んでいました。
在庫を活用したサンプリングによって、商品を体験して商品の良さを実感してもらうことで、初回購入を促進することを目的として実施しました。
具体的な実施概要は以下の通りです。

この約24万5千本という配布個数がどれほどの規模感か分かりやすいように、他のキャンペーンと比較してみましょう。
皆さんは「100万本配布キャンペーン」を聞いたことがありますか。 大手の飲料メーカーがテレビCMとともに行うことがあるキャンペーンなので、聞いたことがある人も多いかと思います。
テレビCMでは「なんと!100万本も配布するよ」という大規模な印象を与えるメッセージになっていますし、その数字のインパクトからも「100万」という配布数は非常に大きな規模であることが感じられます。
この100万本は全国での実施ですのでエリア別の配布数を考えてみましょう。
特定のエリアへ集中的に配布する必要が無い場合、単純に推測するとエリア別の配布数はエリア別の人口構成比に近似していると考えられます。
九州地方の人口は全体の約10%ですので、全国に100万本配布した場合、九州地方への配布本数は約10万本となります。
よって、今回の約11万本という数は、九州地方だけで見た場合「100万本配布キャンペーン」と同程度の規模感となり、今回のサンプリングは相当な数を配布したことがわかります。
サンプリングの成果
さて、それでは今回サンプリングしたレトルト調味料ではどれ程の成果があったのでしょうか。
今回のサンプリングの目的は初回購入を促進することでしたので、「販売量の増加」をサンプリングの成果として定義し、その成果をお伝えします。

サンプリングは、九州エリアのみで実施しているためエリア別に販売量の推移を比較し、九州エリアで明らかに他エリアと異なる傾向が出ていればサンプリングの効果と考えられます。
エリア別にサンプル配布前(21年9月)の販売数量を基準とすると、九州エリアは、10月は1.5倍、11月は1.8倍、12月は2.1倍、22年1月は2.4倍と右肩上がりに増加の傾向が見られました。
対する他エリアでは、10月時点では増加の傾向がみられるエリアが多いものの、11月以降は9月の基準値を下回る、つまり9月の販売数量を下回る結果が多数見られています。
また、1月時点の最大増加係数は1.6倍となっており、九州エリアの結果からは、大きく下回っていることが分かります。
もちろんエリアごとの特性(特売の実施頻度やブランドシェアなど)もあるため、今回の販売数量の増加に対して全てがサンプリングの成果とは言えませんが、それを差し引いても今回の成果は大規模なサンプリングの可能性が見られたと言えます。
サンプリングの成功要因
サンプルを大規模に配布することで日常的に商品を目にする機会が増加したことが、今回のサンプリングを成功に導いた大きな要因であったと考えられます。
プロモーションを考える際、昔からザイオンス効果が利用されている通り、接触頻度はプロモーションにおいて重要な要素です。

また、生活圏内のさまざまな街のお店にサンプルとしておかれていることが話題性を生み、サンプリングの成果につながったということ考えられます。
今回の事例ではSNSの投稿実態を調査しておりませんが、他の事例では一か月間のInstagramの投稿数の6割が弊社サービスのタグとともに投稿されており、サンプリングが話題性を生み出す可能性が示唆されています。
新たなサンプリング手法の効果事例‐衣類用柔軟剤‐
サンプリングは、潜在層の購買意欲を刺激する最も直接的な方法です。
「幅広く」「たくさんの人」に商品の特徴を伝えるプロモーション方法として、この新しいサンプリングを取り入れてみませんか。
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